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最近の本読み、覚え書き
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やりたいことは他にもたくさんあるはずなのに、やっぱり気がつけば本の虫。
この夏詠んだ本たち、覚え書き。

これは、大好きな作家角田光代さんの書評集。 『 ポケットに物語を入れて 』
書評とひと言でくくれない、 作家と作品への思いが溢れたエッセイ集。
その読書の幅広さ、その洞察力。 わたしも好きな作家と作品はもちろんのこと。
全く触手が動かなかった分野、 特に開高健の戦争ルポルタージュ 解説は印象的で。 読んでみなければ!と強く。
終戦記念日を前に読んだ本 『 知覧からの手紙 』 。
苦難の時代に生きた青年と、見送った彼女の生き方にしばし思いを馳せました。



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姫野カオルコ 『 昭和の犬 』 。
戦後の昭和を生きる女性イクの生涯。 彼女の傍らにはいつも犬がいた…。
少女時代のイクが置かれた環境に 胸が苦しくなるけれど。
自分の生きづらさに気がつく余裕もなく 淡々と日々を過ごしていく。 そんな女性は多かったのかもしれない。

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伊坂幸太郎 『 首折り男のための協奏曲 』。
久しぶりに伊坂ワールド堪能。 仕掛けや時空のねじれ、 もう1回読んだらもっとつながるはず。
大好きな黒澤がでてきて、にんまり。 最後の佐藤さんのピアノはにくいよなぁ。

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百田尚樹 『 海賊とよばれた男 』 。
男が惚れる男、苦難の時代を生き抜いた起業人、出光興産創業者 出光佐三がモデルの小説。
話題の本だったので読んでみました。
忠義に篤い、決してあきらめない精神、大和魂。 先見の力、行動力と決断力、持続する力・・・。
男の中の男のような彼を慕い、付き従う企業戦士たち。
今の時代が失ったものばかりが、ちりばめられているような物語。
何かを成し遂げることの壮絶さ。 戦争を石油と経済から眺める視点。
いつもなら素通りする課題本を読み終えたような充実感。^^;

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中村文則 『 去年の冬、きみと別れ 』 。
これも、本屋大賞で話題だったので、手にとってみました。
うーん、ミステリなのかな? 芥川龍之介の地獄変がモチーフに。
狂気と心の闇、偏った恋愛・・・独特の世界観。 
読み進めるのが苦痛な小説は久しぶり。 合う合わないは、やっぱりあると思ってしまった1冊。

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村上恵理 『 アンのゆりかご 村岡花子の生涯 』 。
テレビ小説よりも、もっともっと 村岡花子の生涯は濃く、深い。
社会的な視野の広さ、 信仰(聖書)に裏打ちされた西洋文学の素地、 近代文学界、歴史に名高い人びととの交流。
根底にあるのは、常にかわらぬ愛情を注ぎあった夫婦の歴史。 関東大震災、愛息との別れ、戦中戦後…。
赤毛のアン 翻訳のライフワーク。 ドラマの影響で、柳原白蓮人気も。
母と、涼しくなったら必ず 旧伊藤伝右衛門邸 に連れていこうと約束しています。

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窪 美澄 『 よるのふくらみ 』 。
同じ商店街で育った兄弟と女の子。 思春期から大人へと続く時間を 3人それぞれの視点から描く。
人の切なさ 生々しさ 哀しさ…。 ありがちな三角関係、それも感じさせない ひとりひとりの心の描写に引き込まれる。
消せない衝動、ただみつめる背中、逡巡。 許したい、許せない葛藤。
結末はあたたかくて。 おもしろかったー!  きっと映像化されるだろうなぁ・

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辻村深月 『 盲目的な恋と友情 』 。
タイトルが秀逸。 詠み終えて納得できます。
それにしても、女が、思い込み、自分の視点、考え方だけで突き進む悲しさと浅はかさ。
読者にはそのズレみたいなものが、リアルに感じられて、それだけに恐ろしい。
恋愛のような、友情のような、でもそれは明らかに執着だ!と途中から息が詰まりそう。
それを盲目的と呼ぶのだろう。
これも一気に読ませる筆力によるもの。 映像化されそう。 女優さんを想像したりして楽しむ。

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フェリー乗り場での待ち時間に。 歌人 穂村弘さんのエッセイ 『 本当はちがうんだ日記 』 。
気をつけてないと、自然とひとりで、にやにや、ふふふっと笑ってしまいます。
くだらないなぁと笑っちゃうようなことでも、いつでも真剣! 
これともう1冊、エイミーこと山田詠美さんのポンちゃんシリーズも持っていきました。
どっぷり小説の合間に、何も考えないでもいいような(失礼!)エッセイ集を挟んで、気分転換はかるのも好き。^^
by chocolat-au-choco | 2014-08-17 07:40 | 読書メモ


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